我は海の子
文部省唱歌
収録:軍歌・戦時歌謡大全集9
式典歌・唱歌(評)
1.
我は海の子白浪の
さはぐいそべの松原に、
煙たなびくとまやこそ
我がなつかしき住家なれ
2.
生れて潮に浴して
浪を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気を
吸いてわらべとなりにけり
3.
高く鼻つくいその香に
不断の花のかをりあり
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽と我は聞く
4.
丈余のろかい操りて
行手定めぬ浪まくら、
百尋千尋の海の底
遊びなれたる庭広し
5.
幾年ここにきたへたる
鉄より堅きかいなあり。
吹く塩風に黒みたる
はだは赤銅さながらに
6.
浪にただよう氷山も
来らば来れ恐れんや
海まき上ぐるたつまきも
起らば起れ驚かじ
7.
いで大船に乗出して
我は拾はん海の富
いで軍艦に乗組みて
我は護らん海の国
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