鉄道精神の歌 作詞:北原白秋
作曲:山田耕筰
1934年
1.
轟け鉄輪、
我が此の精神、
輝く使命は
儼たり、響けり。
栄あれ、交通、
思へよ国運、
奉公ひとへに
身をもて献げむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、
我等ぞ、大家族二十万人。
奮へ我等。
2.
轟け鉄輪、
我が此の団結、
輝く誠は
耿たり、とほれり。
栄あれ、勤労、
誓へよ協力、
敬愛あらたに
和しつつ進まむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、
我等ぞ、大家族二十万人。
奮へ我等。
3.
轟け鉄輪、
我が此の伝統、
輝く魂は
凛たり、匂へり。
栄あれ、公正、
鍛へよ質実、
修養朝夜に
知能を磨かむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、
我等ぞ、大家族二十万人。
奮へ我等。
<メモ>
鉄道青年本部発行の雑誌『鉄道青年』で募集されたもの。当選5篇を北原白秋がまとめて上掲の1篇とした。白秋は、「鉄輪の轟き」、「車輪の連続音」を歌詞に出す為に七五調ではなく、「八八調」を採用したと述べている[1]。
事実、聴いてみると「国鉄国鉄国鉄国鉄」の部分などはまさに鉄輪の響きともとれるものとなっている。
<脚注>
[1] 北原白秋 「鉄道精神の歌について」 『白秋全集(36) 小篇2』 岩波書店、1987年、97頁。
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