喇叭の響
作詞:加藤清義
作曲:萩野理喜治
収録:軍歌戦時歌謡大全集(評)
1.
渡るにやすき安城の
名は徒のものなるか
敵のうちだす弾丸に
波はいかりて水さわぎ
2.
湧き立ちかへる くれなゐの
血汐のほかに みちもなく
先鋒たりし わが軍の
苦戦のほどぞ知られける
3.
この時ひとりの喇叭手は
とり佩く太刀の 束の間も
進め進めと吹きしきる
進軍喇叭のすさまじさ
4.
その音忽ち打ち絶えて
再びかすかに聞えたり
打ち絶えたりしは何故ぞ
かすかに鳴りしは何故ぞ
5.
打ち絶えたりしその時は
弾丸のんどを貫けり
かすかに鳴りしその時は
熱血気管にあふれたり
6.
弾丸のんどを貫けど
熱血気管にあふるれど
喇叭はなたず握りつめ
左手に杖つく村田銃
7.
玉とその身はくだけても
霊魂天地をかけめぐり
なほ敵軍をやぶるらん
あな勇ましの喇叭手よ
8.
雲山万里かけへだつ
四千余万の同胞も
君が喇叭の響にぞ
進むは今と勇むなる
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