西豺狼の
作詞:篠原次郎
作曲:紫浅茅
収録:
「海行かば」を歌ったことがありますか
(評)
陸軍戸山学校軍楽隊(戦前)
軍歌大全集(評)
陸軍士官学校出身者(戦後)
1.
西豺狼の醜鷲の
東に翔る十万里
高梁しげる満州や
毒牙に伏す幾年が
ここに仁義の師は起り
鉄騎百万アリナレの
2.
江に水飼へば黄海の
波は怒りて龍躍る
落日低し奉天の
覇業空しく跡絶えて
いま北海の波の上
凍るスラブの夢いかに
3.
東海の天 雲晴れて
昇る旭日の秋津洲
芙蓉に誇る大鵬の
大空行くに似たるかな
五年刻苦の業成りて
今日学び舎を出づるとき
4.
西仇遠く退きて
宝刀恨み長くとも
見よや勝利の旗影に
凱歌の低く消ゆるとき
勝ちて兜の緒を締めん
われに戦後の務めあり
5.
聞けや黄河の水の音
中原 草は枯れ果てて
西風寒く渡るとき
われに仁義の剣あり
希望に満てる我が行く手
はやる心の駒とめて
6.
顧みすれば五年の
友の涙のもろきかな
春燎乱の花の朝
人の心は浮き立てど
秋蕭條の月の宵
人は愁ひに沈めども
7.
末は国家の干城ぞと
和気充てるこの城に
浮薄の流れ他所に見て
独り武の道励みけん
露営に勇む習志野や
松風清き由比ヶ浜
8.
戸山の野辺の銃の音も
今は別れの物語
ああ この夏は何処にて
玉なす汗を拭ひなむ
ああ この秋は何処にて
月に我が歌うたはなむ
9.
あと百日のこの夕
思へば騒ぐ心かな
来たれ我が友いざさらば
別れの歌を歌ふべく
来たれ我が友いざさらば
別れの歌を歌ふべし
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