新潮走る
第六高等学校寮歌
作詞:南惣平、宇野操一
作曲:不詳
収録:寮歌(評)
1.
新潮走る紅の
桜花咲く国なれど
春永久の春ならず
梢に咽ぶ風悲し
明治の大帝神去りて
世は暗澹の秋の暮
2.
嵐の夜にも朝は来て
暁に鳴く鳥の声
新星途にまたたきて
曙色(あけいろ)杳(かす)む六稜に
大正の春明けくれば
健児の胸に希望あり
3.
「混濁」よそれ人の世か
「紛乱」よそれ世の様か
されど悲歌せじ徒に
吾等の使命重ければ
市の叫を他所にして
永久の理想に進まなむ
4.
理想の園は遠くとも
輝く星の黙示あり
現世の濤は荒くとも
憂ひを分つ友あれば
尊き天職を守りつつ
八重の潮路を分けゆかん
5.
操山の下草を藉き
明けゆく空を眺むれば
暗雲いつか消え去りて
曙の色松に映え
今日十三の記念祭
新なる世の響あり
|