濁り世深き
作詞:松下芳男・田中新一
作曲:不詳
収録:軍歌大全集(評)
1.
濁り世深き蓬の下に 踏むべき道を求めけん
あはれ雄々しき若武者一人 天翔けり行く姿かな
十年の春の花散りゆけば 健児が首途の曲ひびく
2.
花の堤を行き交ふ中に ただ打ち触るる袖だにも
結ぶ縁のためしを知るを 一つの窓に起き臥して
長き五年の我らが心 思ひや如何に深からむ
3.
花おぼろなる霞の宵は 閨のとばりの月明り
はかなき夢に微笑み見せつ 芝うち枯れし朝ぼらけ
清き正気の呼吸をすれば あはき行手を見するかな
4.
千代もと契る友垣の面 愁ひの雲の浮ぶとき
うまさの酒に我が眼は潤み くれなゐ深く燃ゆるとき
悲しみを問ひ喜び別ち KDの旅路を親しみぬ
5.
波うつ浜の真砂に画く 空とき栄に我れ酔はじ
護国の太刀に誠を寄せて KDの誉れの永久なれど
白鶴汲みて望みの歌に 祝へば馨る玉の露
|