国民歌
国民進軍歌
作詞:下泰
作曲:松田洋平
大阪毎日新聞・東京日々新聞募集
軍事保護院、陸軍省、海軍省撰定
1940年
収録:軍歌戦時歌謡大全集(評)
1.
この陽 この空 この光
アジヤは明ける 厳かに
燃える希望の 一億が
傷痍の勇士 背に負うて
いま 踏みしめる 第一歩
使命にこぞる 進軍だ
2.
その血 その肉 その命
国にささげた 忠魂に
尽きぬ感謝の 一億が
ほまれの遺族 守り立てて
いま 足音も 高々と
理想つらぬく 進軍だ
3.
あの子 あの父 あの夫
皇国の楯と 征きに征く
奮ふ銃後の 一億が
つはものの家 扶けつつ
いま 前線に 呼応して
声もとどろく 進軍だ
4.
わが身 わが意気 わが力
心ひとつに 協せつつ
固い覚悟の 一億が
帰還の勇士 先立てて
いま 大陸に 大洋に
国をあげての 進軍だ
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<メモ>
軍事保護院は、支那事変下で急増する戦傷者保護や遺族支援のために設けられた組織。歌詞は一般公募。「傷痍の勇士」、「誉れの遺族」、「つはものの家」、「帰還の勇士」といった言葉が軍事保護院の目的と合致している。
1942年には、コロムビアから「少国民進軍歌」という愛国歌もつくられている。こちらも軍事保護院の選定で、内容も似ている。
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