皇軍行進曲
雑誌『現代』依嘱
作詞:北原白秋
作曲:堀内敬三
1931年
1.
皇軍の進むところ。
敵無し、今や、
満蒙の野はよみがへる。
鵲と雪を追つて、
飛び翔る爆撃の翼、
身よ、荒天の輝くその機首、
疾風迅雷、
日本は決せり。
2.
鉄甲の光るところ、
敵無し、ここに、
高粱の芽よ萠えあがれ。
凛々と砂を蹴つて、
ひるがへす日章の軍旗、
行け、朔風の吹きまく全線、
疾風迅雷、
地平は応へむ。
3.
権益の護るところ、
敵無し、すでに、
殉難の地は新たなり。
決然と国を挙げて、
うて、懲せ、暴虐の匪賊、
いざ、天日の巍々たる公恩、
疾風迅雷、
正義に断ぜむ。
4.
王道の臨むところ、
敵無し、今や、
仁愛の手は満ちわたる。
嚠喨と闇を破して、
吹き鳴らす黎明の喇叭、
身よ、大旆の波うつ善政、
疾風迅雷、
日本は布くべし。
|