北支戦線の歌
作詞:八木沼丈夫
作曲:奧山貞吉
収録:オリジナル音源による 露営の歌(評)
1.
北支の空を制したり 戦はずして圧したり
我等が無敵皇軍の 空の戦士と地の勇士
心一つに羽ばたけば 四百余州は尚狭し
2.
玉なす汗は塩と凝り 兵馬は喘ぐ泥の海
水壕水を張り切りて 糧はつきたり弾丸もなし
眼二つを光らせて 馬廠の塹を吾抜きぬ
3.
空には雨もあるものを 降り降り降りて降りやまず
轍を奪うぬかるみに 崩るる如く馬斃る
弾丸のみ送れ戦はん 糧は畑の生の芋
4.
見るだに迫る懸崖や 南口の険血を噴ける
戦友を背負いて匍匐いて 銃を奪いてたたかひぬ
皇軍なれば軍なれば 凱歌とどろく長城に
5.
息をもつかずにたたかひて 拒馬の河畔に夕昏れぬ
河波淀むこのときぞ 戦はいま峠なり
敵をねずみと追ひつめよ 兵団長の眉あがる
6.
千古不落か娘子関 山刳り抉り掘り割りし
忻口鎮の敵の陣 砲弾巌に砕けとび
むなしくひびく山こだま 山西あげてトーチカぞ
7.
眦に血は滲みつつ 隊長駆ける鞘の鳴り
つづく突撃突撃に いのちの焔と燃ゆるとき
山上山下敵の塹 精気透りて山裂けぬ
8.
琢州 保定 石家荘 彰徳 太原はた禹城
戦果収めぬいざさらば 馬に黄河に飲いて
山東省をひとなぎに 長駆衝くべし中原を
9.
東天あかねさすところ 地上の闇はしりぞきて
北支の民に栄あらむ 吾忠勇のつはものが
血しほそそぎし幾山河 興亜の声は地に湧く
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