愛国歌
日の丸行進曲
作詞:有本憲次
作曲:細川武夫
東京日々、大阪毎日新聞社懸賞募集当選歌
1938年
収録:軍歌戦時歌謡大全集(評)
1.
母の背中にちさい手で
振つたあの日の日の丸の
遠いほのかな思ひ出が
胸に燃え立つ愛国の
血潮の中にまだ残る
2.
梅に桜にまた菊に
いつも掲げた日の丸の
光仰いだ故郷の家
忠と孝とをその門で
誓つて伸びた健男児
3.
ひとりの姉が嫁ぐ宵
買つたばかりの日の丸を
運ぶ箪笥の抽斗へ
母が納めた感激を
今も思へば目がうるむ
4.
去年の秋よ強者に
召出だされて日の丸を
敵の城頭高々と
一番乗りにうち立てた
手柄はためく勝ちいくさ
5.
永久に栄える日本の
国の章の日の丸が
光そそげば果てもない
地球の上に朝が来る
平和かがやく朝がくる
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