雁門嶺の決死隊
作詞:作間喬宜
作曲:陸軍戸山学校軍楽隊
1.
弦月冴えて地は凍り
四方鬼気迫る新戦場
中天摩する雁門嶺
仰ぎて送る決死隊
2.
山谷寂と夜は更けて
隊長別辞声凛々
最後の血潮傾けて
奪へあの嶺敵の陣
3.
生還何ぞ期すべきや
唯銃剣と身も軽く
故郷の香交す盃に
更ば[ママ]と勇む死出の道
4.
天下の嶮も何かある
我が肉弾に大和魂
こめて貫く皇軍の
威武を示さん時ぞ今
5.
敵頑強に守れども
剽悍無双決死の士
戦友の屍乗り越て
敵塁目がけ躍り込む
6.
本隊粛と声を呑み
山上のぞむ暁の
空に朝日と輝きて
噫はためけり日章旗
7.
全軍期せず感激の
涙と共に唱へたる
「天皇陛下万歳」の
声山西(サンシー)をゆるがせり
典拠:『つはもの軍歌』(1942年)、197-198頁。
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