武夫原頭に草萌えて
第五高等学校寮歌
東京帝国大学在学先輩寄贈之歌
作詞:恵利武
作曲:不詳
収録:寮歌(評)
1.
武夫原頭に草萌えて
花の香甘く夢に入り
竜田の山に秋逝いて
雁が音 遠き月影に
高く聳ゆる三寮の
歴史やうつる十四年
2.
夫れ西海の一聖地
濁世の波を永遠に堰き
健児が胸に青春の
意気や溢るる五高魂
その剛健の質なりて
玲瓏てらす人の道
3.
時潮の巡りたゆみなく
移りてここに十年の
思ひや狂ふ湖北の地
断雲乱れ飛ぶ所
斬魔の剣 音冴えて
スラブの末路今ぞ見ゆ
4.
時艱にして義を思ひ
塵に節を偲ぶかな
ああ新興の気を負ひて
浮華の巷にわれ立てば
思ひは馳する木訥の
流風薫る銀杏城
5.
さらば我が友叫ばずや
時と人とを諭すべく
見よ龍南に一道の
正気ありてぞ日の本の
青年の名に力あり
二十世紀に光あり
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