敷島艦行進曲
作詞：阪正臣
作曲：瀬戸口藤吉
収録：軍歌・戦時歌謡大全集1
明治・大正の軍歌（評）
１．
隧道つきて顕はるる
横須賀港の深みどり
潮に浮ぶ城郭は
名も香ばしき敷島艦
２．
大和の国の鎮めぞと
思へばそぞろ尊くて
広間の中に入りたてば
ただ宮殿の心地せり
３．
ああ羨まし斯くばかり
みごと堅固の鉄のふね
我が家となして大洋を
自在に旅するますらをよ
４．
さは云ふものの掻き暗き
雨の降る日は如何あらん
疾風吹き立ち浪の山
天に蔓る夜は如何に
５．
ふりさけ見れば山もなく
島の帆影も灘の上
糧尽き水も乏しくて
永くとわたる事あらん
６．
かかる侘しき艦の内
憂ひ思はぬ乗組の
人の操は鉄石か
人の力は錦繍か
７．
まして戦争起りなば
勇気日頃に百倍し
放つや大砲速射砲
向ふ敵艦皆微塵
８．
修羅の巷の荒波を
僅かの間に占領し
凱歌揚る旗の影
名誉の光ぞ輝かん
９．
嗚呼見事なる甲鉄艦
ああ堅固なる敷島艦
見れば心も爽やかに
乗れば気分も引き立ちぬ
１０．
艦の堅固は乗組の
人の操と何れぞや
艦の見事は乗組の
人の心と何れぞや
１１．
艦の名に負う敷島の
倭心の大丈夫よ
君等に深く謝するなり
御国を守る其の勲
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