トップページ日本の軍歌

マレー攻略戦
1942

作詞:北原白秋
作曲:陸軍軍楽隊

[歌詞・備考] [原典・楽譜]

 

1.
雲か山かと見わたして
マライは今ぞ十字星
万里の潮乗り越えて
船は満ちたり輸送団
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

2.
巨砲、要塞何ものぞ
難攻不落何かある
待て東洋のジブラルタル
シンガポールの大崩壊
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

3.
敵の虚を衝く作戦の
神速果敢誰か知る
ああ、シンゴラに、コタバルに
早やも輝く鉄兜
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

4.
不沈戦艦屠り去る
クワンタン沖の猛爆に
相呼び応へ突破する
泰と英との国境線
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

5.
げにやとどろと押しくだる
三道にしてまつしぐら
疾風木の葉まくごとく
奇襲、強襲、また夜襲
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

6.
象の足跡もとめては
ジヤングル深く這ひ潜り
擬装の戦車休止して
裸に綴る椰子の水
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

7.
胸を没する湿地帯
鰐棲む淵も何のその
爆破の直ち架橋して
泥と血に染む人ばしら
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

8.
君にささぐる一身は
縦し瘴癘の鬼となれ
などかは死なむ、烈々と
たぎる誠ぞ、たましひぞ
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

9.
弾に裂かるるゴム林の
光といきれ時闌けて
空くつがへすスコールの
来らば来れ我往かむ
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

10.
つづくトラツク、自転車隊
包囲の網を圧しつつ
海上機動、波蹴つて
迂回打尽すクワランポー
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

11.
五旬これただ南下して
すなはち長駆千余キロ
坦々たりやジヨホールバル
指呼に且つ見るコースウエー
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

12.
友の遺骨を犇と抱く
ああ、渡河戦の闇今宵
鉄舟いくつ粛々と
待つは緑の信号燈
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

13.
天に冲する黒けむり
また声ありやウビン島
爆風荒び 肉飛びて
吼ゆる火砲の発射光
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

14.
かねて期したる突撃に
ブキテマ高地陥せよと
猛攻、死闘、必中弾
あがる凱歌もただ涙
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

15.
紀元の佳節いま遂に
眼下に展くシンガポール、
暴戻彼の蟠る
セレタの浮城将たいづこ
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

16
英の慴伏前にして
興りに興る共栄圏
不動の基地を此処に据ゑ
雲に燦たり日章旗。
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

17
大きアジヤの国生みや、
民十億の朝ぼらけ、
我が 天皇のしろしめし
いよよ栄ある昭南島。
  怒濤のごとき我が軍の
  進撃を見よ 電撃を

 

<備考>

[曲について]

 

[歌詞・備考] [原典・楽譜]

日本の軍歌日本軍歌補完庫「ま行」

「西洋軍歌蒐集館」玄関に戻る