西洋軍歌蒐集館日本軍歌CD評日本軍歌保管庫

日本軍歌保管庫
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や・ら・わ行

広瀬中佐

作詞:大和田建樹
作曲:納所弁次郎

収録:軍歌戦時歌謡大全集

1.
一言一行いさぎよく
日本帝国軍人の
鑑を人に示したる
広瀬中佐は死したるか

2.
死すとも死せぬ魂は
七たびこの世に生れ来て
国のめぐみに報いんと
歌いし中佐は死したるか

3.
われは神州男子なり
穢れし露兵の弾丸に
あたるものかと壮語せし
ますら武夫は死したるか

4.
国家に捧げし丈夫の身
一死は期したる事なれど
旅順陥落見も果てぬ
憾みは深し海よりも

5.
敵弾礫と飛び来る
報国丸の船橋に
わすれし剣を取りに行く
その沈勇は神なるか

6.
閉塞任務事おはり
ひらりと飛乗るボートにて
竿先白くひらめかす
ハンカチーフに風高し

7.
逆まく波と弾丸の
間に身をばおきながら
神色自若かえり来し
中佐の体はみな肝か

8.
再度の成功期せんとて
時は弥生の末つ方
中佐は部下ともろ共に
勇みて乗り込む福井丸

9.
天晴れ敵の面前に
日本男子の名乗して
卑怯の肝をひしがんと
誓ひし事の雄々しさよ

10.
かくて沈没功なりて
収容せられし船の内
杉野曹長見えざれば
中佐の憂慮ただならず

11.
又立ちかえり三度まで
見めぐる船中影もなく
答うるものは甲板の
上までひたす波の声

12.
せん方なくて乗り移る
ボートの上に飛びくるは
敵のうち出す一巨弾
あなや中佐はうたれたり

13.
古今無双の勇将を
世に失ひしは惜しけれど
死して無数の国民を
起たせし功は幾ばくぞ

14.
屍は海に沈めても
赤心とどめて千歳に
軍の神と仰がるる
広瀬中佐はなほ死せず

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や・ら・わ行

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